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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2017年11月15日(水)

【薬膳コラム】やまいも 山薬

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。

 知らない土地に嫁いで、むかごの美味しさを知りました。
むかごはやまいもの葉の付け根になる球芽です。
秋に実るむかごと新米を出汁、 少々の塩、酒で炊いたご飯は
シンプルですが、ごちそうの一品です。


 やまいもと呼ばれるものはヤマノイモ、ジネンジョ(自然薯)、
ヤマトイモ(大和芋)、 ナガイモ(長芋)など種類も色々、自生するものや
栽培品がありますが、 薬膳ではそれらは気を補い、身体に必要な潤いを補い、
消化吸収の働きを正常にし、 肺を潤し、腎機能を高めて生命エネルギーを充実させ、
消化促進や体力回復、 老化防止に働くとされます。
このように、広範囲に作用する有能なやまいもはとろろや酢の物などの生食、
煮物や炒め物など 調理法も実に幅広くて、薬膳を施す時にも七並べで
ワイルドカードを呼ばれるジョーカーの如く、
どこにでも組み入れやすい食材なので、多用しています。


 日本で大学いもと呼ばれるさつまいもの飴だきも、
やまいもを用いた抜絲山薬(バースーシャンヤオ)にすれば、
薬膳としては格段に良いでしょう。消化酵素は加熱すると効力がなくなるので、
消化促進を目的とする時は 生のままで食べるのがよろしいかと思います。
また、古書にむかごはヤマノイモ以上の効があるとの記述があり、
限られた収穫時期には、 むかごも大いに取り入れるようにしています。

 

 ヤマノイモやナガイモの周皮を除いた根茎は山薬(さんやく)という生薬です。
山薬は胃腸が弱い方の食欲不振、慢性下痢、病後の体力低下、疲労倦怠、消化不良、
慢性胃腸炎などに用いる参苓白朮散や加齢とともに衰える腎を補い、
老化に伴い生じる腰痛、 尿量減少、頻尿などを改善する牛車腎気丸、
八味地黄丸ほか、多くの方剤に配合されていて、 脾、肺、腎の臓を補い、
さらには気を補って身体に潤いを与えて、栄養不足を解消する役目を担います。


平成29年11月15日国際中医師、 国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子